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 「無軌道ともいうべき経営姿勢は厳しい非難に値する」――。破たんした石川銀行の不正融資事件で、金沢地裁は20日、特別背任罪に問われた元頭取高木茂被告(72)に懲役3年の実刑判決を言い渡し、破たんに追い込んだ経営責任を厳しく断罪した。回収可能性、融資の妥当性、そして銀行経営トップの融資への関与。高木被告は、刑事責任については4年5か月にわたる公判で、無罪を主張して来たが、堀内満裁判長は、「不正融資の主犯で、自己保身のためだった」と断定した。

 午後1時半、黒スーツ姿で金沢地裁3号法廷に入廷した高木被告は、裁判長に深々と一礼して席に着いた。「被告人を懲役3年に処する」。じっと前方を向いたまま、直立不動の姿勢で主文の言い渡しを聞いた高木被告は、一瞬、反応を確かめるように弁護団に目を向け、硬い表情のまま席に戻った。

 判決理由の朗読は2時間以上に及んだが、高木被告はひざの上で手を組み、じっと下を向いたままほとんど身動きせず、表情も変えずに聞き入っていた。

 判決で堀内裁判長は、「高木被告は長年、同行の頭取かつ大株主として君臨。銀行内部に対する支配力は絶大だった」と指摘。融資の立案や折衝に直接関与はしていないものの、側近らに推進を指示し、主犯と位置付けた。

 弁護側は「ゴルフ場は約60億円の担保価値があり、融資の回収は可能だった」と主張したが、判決では、ゴルフ場の売り上げや会員権販売は融資の返済財源として十分ではなく、ゴルフ場の価値は14〜16億円で担保価値も乏しかったとした。

 高木被告は以前から、取引先の複数の企業集団への融資が焦げ付くたびに不良債権を付け替える隠ぺいを指示し、同行の経営状態を悪化させていたとし、巨額融資は「査定制度、償却引当制度を骨抜きにしようとした点で悪質」と糾弾した。

 株主などから経営責任を追及されることを避けるための自己保身の融資は、他の不良融資などとあわせ、石川銀行に深刻な打撃を与え破たんに至らせたとし、「社会に与えた影響は計り知れない」とした。
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